労働保険 Q&A
パートタイマーの適用基準について
質問
 パートタイムで働いている者でも雇用保険の被保険者になれると聞きましたが、要件、正社員との違いなどを教えてください。
回答
 雇用保険制度は、適用事業の事業主に雇用される労働者を、原則としてすべて被保険者とするものですが、短時間就労者(いわゆるパート)の中には、臨時内職的にしか就労しない者など、雇用保険の被保険者として取り扱うことが必ずしも適当でない者が含まれています。(参考1)

そこで、短時間就労者については、一定の基準を設け、この基準を満たした場合に、被保険者とすることとしています。

参考1(適用基準を設けている趣旨)

 新版雇用保険の理論 187n(労働省職業安定局長著 平成3年7月30日初版)

(3) 被保険者とならない者

 1  雇用関係の明確でない者(略)

 2  臨時内職的就労者

雇用保険は、自らの労働により賃金を得て生計を立てている労働者が失業した場合の生活保障を行うための制度であることから、臨時内職的に雇用されるに過ぎない者については雇用保険法における「労働者」ではないと解釈し、被保険者として取り扱わない。そして、この解釈の具体化として、パートタイム労働者及び昼間学生については、次の適用基準を設けている。

  @ 短時間就労者(以下、略)


すなわち、短時間就労者については、その労働時間、賃金その他の労働条件が就業規則(就業規則の作成義務が課されていない事業所にあっては、それに準ずる規定等)、雇用契約書、雇入通知書等明確に定められていると認められる(参考2)場合であって、次の@〜Aのいずれにも該当するときに、被保険者として取り扱うこととしています。

@ 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

A 1年以上引き続き雇用されることが見込まれること。

雇用期間の定めのない契約の場合や1年契約の場合のほか、1年未満の有期契約であっても、雇入れの目的、その者と同様の契約で雇用されている他の労働者の状況等からみて、契約を1年以上にわたって反復更新することが見込まれる場合は、この要件に該当します。

なお、上記の基準が適用される短時間就労者とは、その者の1週間の所定労働時間が同一の適用事業に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間よりも短く、かつ、40時間未満である者をいいます。(参考3)


参考2(労働条件の書面による通知義務)

パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律 
 

第6条 (労働条件に関する文書の交付)

     事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、労働時間その他の労働条件に関する事項を明らかにした文書を交付するように努めるものとする。

事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針 
第3の1の(1)のイ


(1) 労働条件の明示

イ  事業主は、短時間労働者に係る労働契約の締結に際し、当該短時間労働者に対して、労働基準法の定めるところにより、次に掲げる労働条件に関する事項を明らかにした文書を交付するものとする。(以下、略)(関係条文:労働基準法第15条及び同施行規則第5条)

参考3(短時間労働者の定義)

パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律 

 第2条
 (定義)

    この法律において「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(略)の1週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。

 雇用保険法

第6条 (適用除外) 第1号の2

     第6条 1の2 短時間労働者(1週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比し短く、かつ、厚生労働大臣の定める時間数(参考4)未満である者をいう。第13条第1項第1号において同じ。)であって、(以下、略)

 ところで、上記の基準を満たす労働条件により、短時間就労者として雇用され雇用保険の被保険者(一般被保険者または高年齢継続被保険者)として取り扱われる者のうち、1週間の所定労働時間が厚生労働大臣の定める時間数(30時間)(参考4)未満の者は「短時間労働被保険者」とされ、受給資格を得るための要件や給付内容についての特例が定められています。

短時間労働被保険者であった者が離職した場合、受給資格を満たすためには、次のいずれにも該当することが必要です。

   @ 失業している者であること。すなわち、離職し、労働の意思および能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあること。

   A 離職の日以前1年間と当該1年間において短時間労働被保険者であった期間を合算した期間(最大限2年間)(この間に疾病・負傷等の期間がある場合には、最大限4年間)に被保険者期間が6カ月以上あること。

ここで、短時間労働被保険者であった期間についての被保険者期間の計算は、短時間労働被保険者でなくなった日の前日から遡って1カ月ごとに区切っていき、このように区切られた1カ月の期間に賃金支払基礎日数が11日以上ある場合に、その1カ月の期間を被保険者期間の2分の1カ月の期間として計算します。また、このように区切ることにより、1カ月未満の期間が生ずることがありますが、その1カ月未満の期間の日数が15日以上であり、かつ、その期間内に賃金支払基礎日数が11日以上あるときに、その期間を被保険者期間の4分の1カ月として計算します。

なお、1週間の所定労働時間が30時間以上のパートタイム労働者であった被保険者については、短時間被保険者に該当しませんので、その受給資格は、パートタイム労働者以外の一般の労働者(短時間労働被保険者以外の一般被保険者)の場合と同様となります。

参考4(厚生労働大臣の定める時間数)

雇用保険法第6条第1号2の規定に基づき、厚生労働大臣の定める時間数を定める告示(改正平成12年12月25日労働省告示第120号)

  雇用保険法(昭和49年法律第116号)第6条第1号の2の規定に基づき、厚生労働大臣の定める時間数を次のように定め、平成6年4月1日から適用し、平成元年労働省告示第59号(雇用保険法第6条第1号の2の規定に基づき労働大臣の定める時間数を定める件)は、平成6年3月31日限り廃止する。ただし、同日以前の期間に係る同号の労働大臣の定める時間数については、なお、従前の例による。

  雇用保険法第6条第1号の2の厚生労働大臣の定める時間数は、30時間とする。

参考5(短時間就労者に係る社会保険の適用基準について)

昭和55年6月6日付け厚生省保険局保険課長の内翰(抄)

  短時間就労者(いわゆるパートタイマー)にかかる健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格の取扱いについては、各都道府県、社会保険事務所において、当該地方の実情等を勘案し、各個別に取扱基準を定めるなどによりその運用が行われているところです。

  もとより、健康保険及び厚生年金保険が適用されるべきか否かは、健康保険法及び厚生年金保険法の趣旨から当該就労者が当該事業所と常時使用関係にあるかどうかにより判断すべきものですが、短時間就労者が当該事業所と使用関係にあるかどうかについては、今後の適用にあたり次の点に留意すべきであると考えます。

 1.  常用使用関係にあるか否かは、当該就労者の労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総合的に勘案して認定すべきものであること。

 2.  その場合、1日又は1週の所定労働時間又は1月の所定労働日数が当該事業所において同種の業務に従事する通常の就労者の所定労働時間及び所定労働日数のおおむね4分の3以上である就労者については、原則として健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取り扱うべきであること。

 3.  2に該当する者以外の者であっても1の趣旨に従い、被保険者として取扱うことが適当な場合が考えられるので、その認定に当たっては、当該就労者の就労の形態等個々の具体的事例に即して判断すべきものであること。

参考6(社会保険の適用事業)


  


 規 

@ 適用業種

【A以外の業種】

A 非適用業種

【飲食業、サービス業、農林水産業】

5人以上

5人未満

5人以上

5人未満

法人事業所

強制適用

強制適用

強制適用

強制適用

個人事業所

強制適用

任意包括

任意包括

任意包括
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